王翦の人物像
王翦は政が秦王に即位してから秦に仕えるようになりました。若くして武人としての才能を開花させていきます。いわゆる新参者ですが、秦の天下統一に最も貢献したと言われています。
出自と家族構成
出身は秦の頻陽県東郷であり、現在は陝西省渭南市富平県の北東あたりです。
若いころから兵法を好み学んでいたと言われています。
王賁の父親であり、王離の祖父にあたります。三代に渡り有能な武将を輩出した武人の家系の王氏一族の中でも、王翦はあの白起と一緒に『史記』に列伝がたてられているほどの大物です。
戦歴
・前236年 趙の鄴を攻略
・前229年 趙の幽繆王を捕まえる
・前226年 燕の首都・薊(けい)を陥落
・前225年 楚の負芻王を捕まえる
王翦の名前が歴史に登場するのは、紀元前236年の趙への侵攻の時です。桓騎や楊端和と一緒に多くの城を攻め落として、趙の重要拠点である鄴(ぎょう)を攻略しました。
紀元前229年には羌瘣(きょうかい)と一緒に再度、趙へと侵攻して逃亡していた趙の幽繆王を捕虜とし、趙の平定に大きな貢献をします。
紀元前226年には燕へ侵攻して首都の薊を陥落させるなど、大きな戦果をあげます。
紀元前225年には楚の討伐に向かいますが、秦王が王翦の意見を退けて李信の意見を採用した為、高齢を理由に隠居します。それは良い気持ちはしなかったのでしょう。
しかし李信が大敗して、秦王からやっぱり最前線に戻って欲しいとお願いがあったため戦いに戻ります。そして楚王の負芻を捕虜とし、楚を滅亡に追い込みます。
王翦は結果を出したのね。
性格
王翦は慎重な性格で、こんなエピソードがあります。
秦が楚を攻める時に李信が20万の兵が必要だと言ったのに対して、王翦は60万は必要だと答えました。
実際に秦王・政が李信に20万の兵を与えて楚の攻略を命じたが、李信は大敗してしまいます。
次に秦王・政が王翦に60万の兵を与えて楚の攻略を命じたところ、王翦は楚を見事滅亡に追い込みました。
その戦いぶりは極めて慎重で淡々としています。
3倍も違うね。
王翦は楚を討伐した褒美として美しい田畑と邸宅が欲しいと、秦王に使者を5回も送ったそうです。5回はさすがにしつこいだろうと、見かねた部下が苦言を呈するほど。
そうすると王翦は下記のように言ったそうです。
「(秦の)王は疑り深い。その王が全ての兵を私に任せている。だから褒美を欲しがって蓄財をはかる小物に見せかけて、王の疑心を招かないようにするのだ。」
別に褒美が欲しかったわけではないんですね。それでは王翦が一番手にしたかったものとは何だったのでしょうか。
王翦、敵に回すと怖い人物です。
キングダムの人物像
引用元:アニメキングダム公式サイト
アニメのキングダムでは、上図のとおり目の周りを覆う仮面をかぶっています。今のところ素顔は分かりません。
シリーズ5まで見ていると、息子の王賁(おうほん)の出演シーンの方が多いです。
独特の親子関係でほとんど言葉をかわしている様子が伺えません。
幼い頃、王賁は父に槍を誉められそこから槍の稽古に励みます。王賁は父に認められようと頑張っている感じがしますが、王翦は息子とあまりコミュニケーションを取ろうとしていないように感じます。
秦の中華統一にはとても重要なキーパーソンなので、シリーズ6からの活躍を楽しみに待ちましょう!